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筋繊維には、大雑把に分けると収縮速度の速い「速筋線維」と持久力の高い「遅筋線維」という二つのタイプがあります。

各部位の筋肉は、この割合によって特性も変わってきます。
 二つのタイプのうちトレーニングによって太くなるのは、主に速筋繊維。このことは、筋力トレーニング前後で筋繊維がどのくらい太くなったかを調べた研究からも実証されています。

大腿四頭筋の場
合、トレーニング前は速筋繊維と遅筋繊維の断面積の割合が1・2対1ぐらいだったのが、3カ月間のトレーニング後は1・6対1になったという報告もあります。ヒトの体の中で速筋繊維が極端に多い筋肉というのはありません。逆に、ふくらはぎの奥にあるヒラメ筋や腹筋など、遅筋繊維の割合が多い筋肉は、トレーニング効果が現われにくい筋肉であると言えると思います。

 そのほかの筋肉のほとんどは、速筋繊維と遅筋繊維の割合がほぼ50対50。大胸筋や上腕二頭筋など、自分の目で確認しやすくて大きい筋肉は、総体的に言えばトレーニング効果は現われやすいと思います。しかし、生まれつき遅筋線維優位の人は、一般的な割合を持つ人に比べて筋肉が太くなりにくいかもしれません。

 男性に関しては、成長期にホルモンの影響を受けて太くなりやすい筋肉があります。たとえば、僧帽筋から肩や上腕にかけての筋肉。このあたりは男性の体型を特徴づける筋肉です。逆に言えば、女性にとってはきわめて効果が出にくい部位ということになります。
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2011/06/18(土) 12:18:19筋肉百科
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はっきり言って、持って生まれた遺伝子のタイプを変えることはできません。

 ACTN3という遺伝子の変異が少ない人がスプリント競技で力を発揮する可能性が高い
という事実はあります。でも、アメリカの研究者はスプリントに向いていないはずの変異型を持っている人の方が、正常型を持っている人より、筋力トレーニングをした時に筋力増加の伸びが大きいという研究結果を報告しています。

 あくまでも予測ですが、これにはいくつかの理由が挙げられます。
 まず一つは、実験におけるトレーニングの質の問題です。半端なトレーニングをしたのでは、筋肉はなかなか強くなってくれません。しかし、実験で採用しているトレーニングは、スポーツ選手がやっているようなハードなものではなく、言ってみれば半端なトレーニングなのです。

ハードな運動経験のない被験者を集めてきて、3カ月ほどトレーニングさせるという実験なので、運動経験がない人ほど運動前と運動後の変化が大きい傾向がある。だから、まず被験者を集めた段階で、変異型を持っている人の方が運動経験のレベルが低かったという可能性があるわけです。

 二つ目は、トレーニングに対する反応が良いということは、それだけトレーニングに〝敏感″である、つまり、速筋線経がトレーニング刺激を受けやすい状態にあると言えます。裏を返せば、そういう人が過激なトレーニングをすると、むしろオーバートレーニングになったり、筋線経の損傷が起こりやすい可能性もある。逆にあまりトレーニング効果が現われない〝鈍感″な体というのは、トレーニングに対する抵抗力が大きい、すなわち強い肉体と言えるのかもしれません。このことからも、スポーツ遺伝子は、どの競技に向いているか、向いていないかを完全に決定づけるものではありません。「あなたはこういう遺伝子を持っているから、トレーニングをこんなふうに工夫すれば、さらに能力を引き出すことができますよ」とアドバイスをするために活用すべきではないでしょうか。

競技者も自分の遺伝子に合ったトレーニングをすることで、ハンディキャップになるかもしれない遺伝子の特性を克服できる可能性は十分にあると思います。

 医療の分野では、生活習慣病などの種類に合わせて「テーラーメイド医療」をしようという動きがあります。今後はスポーツの分野でも、競技種目に合わせた体をつくっていく過程で、遺伝子の特性に合わせた「テーラーメイド・トレーニング」の必要性が出てくるかもしれませんね。
2011/06/12(日) 20:03:08筋肉百科
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スポーツにも遺伝子が存在します。
 人間の個人差や体質にかかわる遺伝子の研究がさかんに行なわれている現在、スポーツ能力に関連する可能性のある遺伝子も、すでに百個以上の遺伝子が紹介されています。今のところ一番強い影響力を持つ遺伝子と考えられている「ACTN3」という遺伝子があります。
 ACTN3は、α・アクチ二ン3というタンパク質をつくる遺伝子です。
 この α-アクチ二ン3は、筋線雑の中でも速筋線経でつくられるタンパク質で、ヒトの場合には正常なタンパク質をつくれる遺伝子型(R型)と、まったくタンパク質をつくれない変異型(X型)があることがわかっています。
 変異型の場合、速筋線雑そのものも機能しなくなるかというと、そんなことはありません。Α-アクチ二ンには1、2、3のタイプがあり、ヒトの筋肉の中で遅筋線経ではα・アクチ二ン2のみが発現しますが、速筋線経では2と3の両方が発現しているのです。そのため、たとえ速筋線経で3がつくられなくても、2が発現していれば筋線経としての機能を果たすことができます。一つの遺伝子が働かないからと言って、致命的な結果にはならないわけです。

 では、α・アクチ二ン3がつくられないと、筋肉にどのような影響を及ぼすのか。これについては、じつはまだよくわかっていません。わかっているのは「ACTN3に変異があるとα-アクチ二ン3がつくられない」ということだけなのです。

 ただ、オリンピック選手を調べてみると、スプリンターやジャンパーなど、瞬発力を必要とする競技の選手には、ACTN3の遺伝子の変異がきわめて少ない。父方も母方も両方変異型という選手はオーストラリアの研究チームが行なった実験報告ではゼロです。この研究報告から、ACTN3に変異が起きているとスプリンターには向いていないのではないか、ということは言えそうです。

 対照的に、持久的競技の選手は半分ぐらいが変異型なので、正常型でも変異型でもそれほど影響はなさそうです。人種的に見ると、アフリカ系の黒人は変異型の割合がとても
少なく3%以下。日本人を含めたアジア人は30%ぐらい。欧米人は、その中間の15%ぐらい。この数字から、単純に黒人がスプリント競技に向いているとは言えませんが、すぐれた選手が出てくる確率は高いかもしれません。
2011/06/10(金) 15:40:32筋肉百科
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